経営目標の明確化が経営者の専らの仕事であるのに対し、方法論の具体化は経営者だけではなく経営幹部の参画による「ボトムアップ方式」が方法論の具体化の理想的な形態です。

方法論の具体化は、中期計画よりも単年度(1年12ヶ月)計画をイメージした方が現実的です。

具体的には次のような4つの手順で行います。

  • 「部署目標」を立案する
  • 全社の「月別数値計画」「行動計画」を確定する
  • 「個人目標」を確定する
  • 経営計画を社員に発表する

1.部署別目標を立案する

社長の中期目標・当期目標が明確化できたら、経営会議を開催し、経営幹部(役員〜管理職)に対し「社長方針」と「部署別要求定義」の説明を行います。

それを受けて各幹部は、戦術を練りながら、部署目標を組み立てます。
部署長は以下の点を明確にすることが重要なポイントとなります。

機イ匹里茲Δ福峭堝位槁検廚函嵜値目標」を達成しようとしているのか

供イ匹里茲Δ福屮▲ションプラン」とし、どれぐらいの「経費や資金」が必要なのか

部署計画が出来上がったら、A4サイズ1枚に「部署別当期目標」にまとめ上げます。1枚にまとめる理由は、当該部署内で必要な計画詳細が、必ずしも他部署では必要ない場合があるからです。

部署当期目標

2.全社の「月別数値計画」「行動計画」を確定する

経営計画は、数値計算によるシミュリーションが不可欠です。数値にならないような物は、経営ではまったく役に立ちません。社長と経営幹部が一同に会し、各部署から上がった数値計画を入力し、トップと現場のすり合わせを行いながら全社数値計画を策定・確定します。

■決定、作成すべき事項

「売上&変動費計画」
「在庫&仕入計画」
「回収&支払計画」
「人件費&設備投資&資金計画」
「他の経費計画」
「決算&税金&利益処分計画」

例えば、ある売上分類の、ある月の売上を変更したり、決済条件を変えたり、在庫保有日数を変更したり、昇給を変えたり、採用を延ばしたり、設備投資をやめたり、返済条件を変えたり・・・等をした場合、各月の損益・貸借・資金繰りを瞬時に計算し確認しながら最適な意思決定を行ないます。

次に、中期目標に沿った当期目標の決定です。

■決定、作成すべき事項

月別の目標の
「損益計算書」
「貸借対照表」
「キャッシュフロー計算書」
「売上分類別計画表」
「人件費計画表」
「設備投資計画表」
「資金計画表」

これで、当期目標が確定します。またこれにともない、各部署の計画修正も併せて行い、全社及び部署目標(数値計画・行動計画)が決定します

「社長が考える中期の全社目標」と「各現場の積み上げ計画」とのすり合わせによる「会議型の経営シミュレーション」を行うことにより

  • 実現性の高い目標の作成
  • 現業責任体制の強化
  • 経営参画意識の向上
  • 幹部のレベルアップ

等を図ることが可能となります。これが前述した「副産物」です。

3.「個人目標」を確定する

計画書作りの最終段階は「個人目標」の設定です。全社・各部署の目標を踏まえ、且つ自分自身の自己実現・将来への目標を含めて作成します。

注意点は「個人目標の確定には、上司の承認により決定する」ことです。なぜかといいますと

  • 会社目標と個人目標とのベクトルを合わせるため
  • 本人の能力アップに繋がる目標を与えるため

特に、「2」は重要です。例えば、能力100の人に100以下の目標を与えることは、その社員を後退させます。潜在能力を引き出す目標設定をさせるため「目標面接」等を通し、上司がアドバイスをする必要があります。個人目標の達成状況は、モチベーション継続のために、四半期又は半期ごとに達成状況面接を行なうことも重要です。

4.経営計画を発表する

経営計画を発表する目的は、「全社員と共に方向性を確認する」こともありますが、もう一つ重要な視点は「経営者・経営幹部の責任を明確にすること」です。「人・物・金」を動かす事ができ、「意思決定権」の全ての権限を握っている経営者・経営幹部は結果に対してほぼ100%の責任を負います。

発表会は経営者にとっては勇気のいる行動である反面、目標達成には欠かすことのできない経営者の重要な仕事の一つでもあります。

  • 経営計画は必要なのか?
  • 目標を達成するために
  • 経営理念・目標を明確化にする
  • 優先順位をつける
  • 意味を伝える
  • 経営計画作成の流れ
  • 目標達成方法の具体化
  • 達成管理の注意点
  • 達成管理の注意点